現地さながらの雰囲気で人気を博す大阪府大東市の「中国朝市」。
一方で、違法露店などが横行している現状を「newsランナー」でも報道してきました。
そんな中、1日、中国人従業員を不法に働かせていた疑いで、中国朝市の物産店の経営者らが逮捕されました。
■「中国朝市」で人気の物産展経営者らが逮捕
出入国管理法違反の疑いで逮捕されたのは、大東市の中国物産店の社員・上條裕基容疑者(33)と、親族で経営者の亜希子容疑者(59)です。
2人はおととし3月からことし9月まで、不法残留していた中国人を違法に働かせた疑いが持たれています。
上條容疑者らが経営していたのは「華龍食品」という物産店。
この店はある”名物”で人気を博していました。
「華龍食品」で20年以上前から毎週日曜日に行われている、「中国朝市」。
本格的な中華料理が味わえると評判で、多くの在日中国人などが集う人気スポットとなっていました。
【「華龍食品」社員・上條裕基容疑者】「このお店を開いた人が中国北部出身の方。中国の方は朝早くに朝食を買いに行く習慣があるので、それに乗っかって朝市を始めたのがきっかけです」
■「中国朝市」周辺では違法駐車相次ぐ
この朝市の始まりについて、「newsランナー」の取材に語っていた上條容疑者。
しかし、この朝市では多くのトラブルが起きていました。
1つは「違法駐車」です。
【記者リポート】「計19台が路駐していますね。2車線道路の1車線がほぼ潰れています」
朝市にやってくる客の違法駐車が横行し、道路をふさいで近隣住民の生活に支障が出ていました。
ことし8月には警察が摘発に乗り出しましたが…
【違反者】「早くせえや!」
【警察官】「早くしますので、ちょっと車の中で待っててください」
【違反者】「早くせえや!」
【警察官】「早くしますのでね、待っててくださいね」
悪びれる様子がない違反者の姿も。
■「違法露店」も…容疑者「僕らはルール守ってる」
さらにトラブルはこれだけではなく、「違法露店」の問題も。
朝市のそばで、無許可で中国野菜などを販売する「違法露店」が出ていたのです。
(Qなぜ来ようと思ったんですか?)
【露天商】「分からない。わたし、日本語はできない」
朝市の人気に便乗して横行する違法行為。
上條容疑者は逮捕前、取材に対しこう答えていました。
【「華龍食品」社員・上條裕基容疑者】「僕らはちゃんとルールを守ってやっているのにもかかわらず、建設局や保健所が来て、チェックにしに来るんですよ。わざわざ中国人だからみたいな感じで」
あくまで、自分たちはルールを守っていると訴え、怒りをあらわにしていました。
■突然の”休業” 閑散とした朝市
しかし先月、再び「華龍食品」を訪ねると…
【記者リポート】「午前5時すぎです。朝市を開いていた店はシャッターが閉まっていて、なにか貼り紙が貼られています。人も閑散としています」
シャッターが閉められ、中国語で「設備工事のため休業する」と書かれていました。
この取材の前に家宅捜索が入ったとみられています。
警察は2人の認否を明らかにしていませんが、上條容疑者らが他にも不法に中国人を働かせていたとみて、詳しい経緯を調べています。
(関西テレビ「newsランナー」10月1日放送)