職員へのパワハラ行為を自ら認めた兵庫県の斎藤知事は、きょう=12日兵庫県庁で「ハラスメント防止」などについて、研修を受けました。

非公開とされた研修ですが、関西テレビは事前に知事が受ける内容を独自に取材しました。

■県の部局がハラスメント研修受講を求めるも…

斎藤知事に対するパワーハラスメントなどの疑惑が告発された一連の問題を受け、県は去年12月から知事に対し、ハラスメント研修を受講するように要望してきました。

しかし、なかなか実施されず、3月には告発について調査していた、県の第三者委員会が、知事が業務中に職員を叱責した行為など10件について「パワハラ」と認定していました。

実施に時間がかかった理由について知事は…

【兵庫県・斎藤元彦知事(先月16日)】「放置しているわけではない。年度内は議会対応も含めて多忙だったというところもありますし」

県の求めからおよそ5か月経って、ようやく研修が行われることになったのです。

■県の職員の受け止めは現役の兵庫県職員に斎藤知事の研修受講について受け止めを聞きました。

【兵庫県職員(50代)男性】(Q.研修で県政がかわる期待感は?)「あんまりない。研修1回受けたからって、そうそうなんか変わるわけでもない」

【兵庫県職員(30代)女性】「安心して働ける、というか(知事に)会ったときにドキッとしないようになればいいな。まず研修を受けられるのが何か変わられようとしてるのかなと思って受け止めました」

■研修は冒頭のみ報道陣に公開県職員から様々な声が聞かれる中、きょう=12日午後1時すぎに、研修が始まりました。

【講師 中川恒信行政書士】「きょうの研修の組み立てとしてはメインのテキスト、組織マネージメントの三十数ページというのがありますが…いわゆる風通しのよい組織作りと…」

冒頭、研修の趣旨や概要が説明されたところで、「受講者の研修環境を確保するため」として、報道陣は冒頭の撮影のみで退出となりました。

■知事が受けたものと同じ研修を先に記者が受講そこで関西テレビは、実際にきょう=12日の研修を担当した講師を、事前に独自取材していました。

斎藤知事が非公開の場で実際に受けた内容と同じ研修を記者が受講しました。

研修項目は大きく分けて3つです。

1.組織マネジメントの基本
2.心理的安全性の重要性
3.「アンガーマネジメント」(=怒りのコントロール)の理論と実践

■知事が認定された「パワハラ行為」 アンガーマネジメントができていたら…知事が認定されたパワハラ行為の一つには、この「アンガーマネジメント」が出来ていなかったのでは、と思われる事例がありました。

関係者によると、斉藤知事は公務の際、車を降りてから建物の入り口まで、およそ200メートル歩かされたことで、職員らを叱責したということです。

研修の講師を務めた中川恒信行政書士は、2度とこうした状態にならないため、斎藤知事には簡単にできるアンガーマネジメントの方法を伝えたということです。

【中川恒信行政書士】「6秒間抑えればいいというような『6秒間ルール』。(歩かされて)『こんなんありかよ』って思わはったかもしれないけど、私じゃなくても誰でもここで降ろされるんだよなと、5~6秒間考えたら、その間にスーッと(怒りが)抜けていって、そして『まあ、じゃあいいか』となる」

■怒りが収まるまで待つ”6秒ルール” 想定された状況でやってみる研修もさらに実際の状況を想定したやりとりの中で、上司が部下にどう接するべきかを考える研修もありました。

【部下役】「書類、きょうまでの期日のものをもってきました」
【上司役】「うんよくできてるかなあ。お?ここまた前言ったように、このプロジェクトは信用金庫にも入ってもらうって言ってたけど、信用金庫の名前が抜けてるけどな前も言ったのが直ってないよ」

書類にミスがあった部下を上司として、どう指導するかという状況です。

【中川恒信行政書士】「ここで上司としては選択肢が2つあって、『何やってんの、この間、言ったところだろ!』という場合と、さっき言った、『6秒間ルール』というのをやって、あなた(部下)の立場に立って上司が考える、意見を言うことをしてるうちに6秒間たつので、スーッと怒りが抜けていくはず」

きょう=12日の研修でも部下への対応を問う問題が出され斎藤知事が副知事と相談しながら問題を解く場面も見られました。

■斎藤知事の心にも残った『6秒ルール』 自身の行動見直すことにつながるか4時間以上、みっちり研修を受けた斎藤知事は、終了後、その感想を語りました。

(Q.部下へのアンガーマネジメントについての問いに副知事とやりとりしていたが、どういうやりとりをした?)
【斎藤知事】「アンガーマネジメントのひとつの考え方の中で、『6秒ルール』というものがあったりすることを中川先生から教えてもらった。『6秒ルール』の中で、まずは気持ちを落ち着ける。

その上で、選択肢として、相手がどういう背景があって、業務上のミスをしたのか、それを考えた上で、それを改善するように話し合っていくという、コミュニケーションの大事さが重要だということを副知事と話し合いながら、選択肢を選んだ。

これから風通しのよい職場づくりに向けて私自身も努力していくと」

そう決意を語った斎藤知事。

今日の研修は兵庫県政混乱の要因となった自らの行動を見直すことにつながったのでしょうか。
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カンテレ「newsランナー」2025年5月12日放送

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