福岡県久留米市のマンションで小学校教諭の女性の遺体を放置したとして、女性の夫が逮捕された事件についてです。警察は、逮捕された夫が、妻の死が発覚するのを防ぐために、周囲にウソの説明をするなどの工作をしていたとみています。
同僚の先生とともに笑顔で卒業アルバムに映る女性は、10月19日、自宅マンションで変わり果てた姿で見つかった渡辺彩さん（35）です。久留米市内の小学校に勤務し、6年生のクラス担任を務めていました。
彩さんに教えてもらった児童からは「元気で子ども思い、やりたいと言ったことを応援してくれる」「褒めて育ててくれるし、一緒に遊んでくれる大好きな先生です」といったコメントが寄せられました。
慕っていた先生のあまりに急な訃報を耳にした子どもたちは、一日中ずっと泣いていたといいます。
彩さんの遺体を放置した疑いで逮捕されたのは、夫で会社員の渡辺司容疑者（41）です。「事実に間違いはありません」と容疑を認めています。
彩さんが自宅マンションで亡くなっているのが発覚したのは、10月19日の午後10時ごろです。連絡がつかないことを不審に思い、自宅マンションを訪ねた彩さんの弟が遺体を発見し、通報しました。
夫の司容疑者はその場にいましたが、9歳と5歳の子どもは司容疑者の実家に預けられていました。彩さんの遺体は約1か月にわたって放置されていたとみられ、腐敗が進んでいました。
■近所に住む人
「（足音が）1ヶ月ぐらい前にピタッとやんで、家族とも話していた。足音が全然しなくなったねと。（奥さんは）挨拶したら挨拶してくれた。」
■近所に住む人
「（Q. 司容疑者はどんな感じの人？）ひげが伸ばし放題というか。髪もボサ頭。パンチパーマが伸びたような。」
久留米市教育委員会によりますと、彩さんが最後に出勤したのは9月20日でした。
翌21日には司容疑者から「妻の体調がすぐれないため2日間ほど休ませてほしい」と電話があったということですが、警察はこのころ彩さんが死亡したとみています。
その後も学校側は連絡や自宅訪問など接触を試みましたが、司容疑者は「妻は体調がすぐれない」とウソの説明を繰り返すのみでした。
学校側は9月末には教育委員会に対し「原因が分からない休みが続いていて、本人とも連絡がとれない」と報告していたということです。
2人の間に何があったのか。過去には2度、夫婦間のもめごとで彩さんが110番通報し、警察が対応していました。
司法解剖の結果、彩さんの体に目立った外傷はなく、死因は不明、司容疑者も彩さんの死亡の経緯について言葉を濁しているということです。
警察は司容疑者が彩さんの死に関わっていて、意図的に遺体を放置した可能性もあるとみて、さらに捜査を進める方針です。
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